JR九州で放射冷却素材「SPACECOOL」の実証試験を開始 ゼロエネルギーの冷却でサステナブルな鉄道事業運営へ
SPACECOOL株式会社と九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)は、JR九州が所有する踏切器具箱と信号通信機器室の暑熱課題解決のため、放射冷却素材「SPACECOOL」(以下、「本素材」)を活用した実証試験を開始したことをお知らせします。
背景
これまでJR九州では、太陽光からの入熱で踏切器具箱の温度が上昇し、箱内の電子部品等の劣化が速まることで交換周期が短くなり、環境への負担が大きくなることを課題と考えていました。同様に、信号通信機器室内の温度上昇により、空調機の消費電力が増大するという課題もあり、それぞれ解決策を模索していました。
そこでこの度、日中でもゼロエネルギーで冷却可能という放射冷却性能を持つ本素材を、JR九州陣原駅~折尾駅間の踏切器具箱と田代駅の通信設備ハットに試行的に施工し、上記課題の解決を図る実証試験を開始しました。
JR九州 鉄道事業本部 折尾工務所 所長 平野様からのコメント
器具箱内の温度上昇に伴う設備の管理は、長年の課題の一つでした。そこで、今回、施工性が容易でメンテナンスフリーであるSPACECOOLにより器具箱内の温度上昇が抑制可能であるか実証試験を開始しました。この取り組みにより、鉄道沿線の器具箱内に設置している電子部品や鉛蓄電池の延命が図られ、環境への負担が減ることを期待しています。
また、踏切器具箱については、2023年8月より実証試験を開始し、現在に至るまで放射冷却機能の低下や踏切器具箱からSPACECOOLが剥がれるなどの問題も発生していません。
※「SPACECOOL」は登録商標です。